理学療法士/トレーナー 平山 達也のブログ

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テクニカ・ガビラン

こんばんは。理学療法士/トレーナーの平山 達也です。

 

行ってきました!ガビランの講習会。

以前から周りの方にお借りして使用していましたが、講義を受講するのは初めてでした。活動報告をしたいと思います。

 

 ①ガビランとは?

 ②ガビランのメリット

 ③赤い斑点

 ④禁忌

 

①ガビランとは?

アラ、ガラ、ピコの3つのステンレス製の器具で軟部組織をモビライゼーション(Instrumented  Soft  Tissue  Mobilization : ISTM )、徒手療法、物理療法、そして機能的な運動療法を含む治療システムを指します。

簡単に言うと、器具を用いて筋膜の正常な動きを阻害するコラーゲンの癒着をリリースします。

とても軽いタッチでリリースできるので施術者側の負担も大きく軽減します。現在、プロ野球選手のケアにも使用されているそうです。

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写真の左からアラ(翼)、ガラ(爪)、ピコ(嘴)

 

 

②ガビランのメリット

器具を用いることで、手では感じることのできない癒着を感じる・発見することができます。また、今回のセミナーで動きの中でリリースすると寝転んでリリースするよりも効果が大きく実感できました!

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単純に関節を動かしながらでもいいし、スポーツや何か痛みのある動作があるなら、その動きの中で使用することもできます。

 

③赤い斑点

ガビランで施術していると赤い斑点が現れることがあります。ガビランでリリースしているとゴリゴリした感触の場所があります。ここがコラーゲンの癒着なのですが、詳細には癒着している部位に微細損傷を起こし、軟部組織内において線維芽細胞を増殖させるため、その微細損傷を起こした部位が結果的に赤くなります。

 

④禁忌

・解放創・血栓静脈炎・癒合していない骨折・コントロールされていない高血圧・感染による炎症・血腫・骨髄炎

*基本的に急性期には患部に直接しないで、遠隔でリリースするため急性期でも慢性期でもある程度は対応可能です。

 

今回、ガビランのセミナーを受けてconditioning、治療の武器が一つ増えました。いろんな場面で使えそうです。日本でまだあまり持っている方はいないそうです!

体験したい方はぜひ!!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

体のケア、conditioning、トレーニングやピラティス等、ご要望があれば気軽にご連絡ください。

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ウォームアップの必要性と目的

こんばんは。理学療法士/トレーナーの平山 達也です。

 

ウォームアップと聞いて何を思い浮かべますか?

多くの方が、「運動前の準備にすること」とざっくりした感じで捉えているのではないでしょうか?ウォームアップにも目的があり、目的達成のための手順が存在します。

僕はジュニアのトレーニングサポートに携わらせていただいていて、試合も観に行きます。会場で「アップした?」と聞くと「バッチリです」という返事をもらうことが多いのですが、本当にバッチリなのか?という疑問。

彼らからすると試合前に足を動かして準備してますよ。ってとこなのですが、

僕からすると不十分なのです。今回は「ウォームアップ」について説明したいと思います。

 

【そもそもウォームアップとは?】

ウォームアップはトレーニングや運動、試合前に行います。筋肉の温度を高めて筋肉が目的の運動の際にしっかり働きやすくするのが目的です。筋肉の温度を高め筋肉の反応レベルが上がると

・高いパフォーマンスを発揮できる

・怪我の予防ができる

また、メンタルの調整にも役たちます。

 

 

【ウォームアップの効果】

⑴筋肉の温度を高める

これが最大の目的です。筋肉の温度を高める。簡単に説明すると筋肉の温度が高まることで各組織で酸素が使われやすくなります。酸素が各組織に運ばれ使われることで、筋肉がスムーズに伸び縮みできるようになる。よって高いパフォーマンスにつながります。この筋肉の温度を上げる方法は様々ですが、誰かにやってもらう(超音波やマッサージなど)のではなく自分で動く(ランニングやバイクなど)方が望ましいと言われています。

 

⑵可動性を高める

⑴の効果で筋肉が伸び縮みしやすくなることで関節の動きが良くなります。不十分な状態で急に運動を行うと、痛めてしまう可能性があるので注意です。

 

⑶心肺機能の準備

安静から急に運動をすると心肺機能が追いつかないので、ウォームアップで徐々に体に負荷をかけていくことが望ましい。

 

⑷各競技の準備

これは「予備運動」と言われており各競技の特徴的な動きを本番をイメージしながら行うことで本番で体が動きやすくなると言われています。野球なら素振りやキャッチボール、サッカーならドリブルやパス、テニスならストローク・サーブの素振りや足のステッピングなど。

 

⑸自身のコンディションのチェック

その日の天候や気温、コートの状態で自分の体がどんな状態かを体を動かすことで確認することができる。

 

⑹メンタルの調整

緊張している体を、動かすことによって緊張を和らげる効果がある。試合は交感神経を優位に働かせていく。

 

【ウォームアップの手順】

ポイントは「方法論」ではなく「目的」を意識することが大事!

では手順としてご紹介して行きたいと思います。

①縄跳びやジョギング、バイクなど

→5〜10分程度で軽く会話をしながらできる程度の負荷で行う。

 

②ストレッチ(静的な)

→静的なストレッチは諸説あり、パーフォーマンスの低下を引き起こすとの研究もありますが、結構な時間ストレッチした場合なので、試合前は緊張している筋肉に軽く静的なストレッチをしてあげてもいいです。

 

③ストレッチ(動的な)

→今ではほとんどのスポーツで実施されていますが筋肉を動かし、関節を曲げ伸ばしや捻ることで筋肉や腱を引き伸ばし、筋肉が伸び縮みしやすい環境を作る。実際の競技で必ず使う筋肉に刺激を入れて上げる。

(例)タッピングやアンクルホップ、スキージャンプなど

 

④競技別の運動

→実際の競技に近い動きを入れていく

(例)ワニ歩き、ファンクショナルアップなど

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いかがでしたか?少しウォームアップ見直してみませんか?試合でのパフォーマンスが上がるかもしれません!

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

成長期の体作りについて

こんばんは。理学療法士/トレーナーの平山 達也です。

本日はスキャモンの成長発育・発達曲線についてです。

ご存知でしょうか??

ぜひ、クライアント本人または家族さんに見て欲しい内容です!

 

なぜ、同じ年齢で能力に差があるのか?

伸び悩んだり追い抜かれたりするのか?

どうすれば順風満帆な競技生活を送れるようになるのか?

ぜひ、一読ください!

 

 

まず、*ゴールデンエイジ* について

・5歳〜10程度の低年齢で一番神経系が発達する時期

・一番いろんな動作を覚えやすい時期です。なので、しっかりトレーニングや練習をするとスキルがぐっと伸びる時期です。

これは根拠があって、その根拠になっているのが「スキャモンの成長曲線」です。

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縦軸が発育量、横軸が年齢となっています。それぞれの曲線の解説です。

・神経系型(脳、脊髄、視覚器、頭径)
リズム感や体を動かすことの器用さを担う。出産直後から急激に発達し、4,5歳で成人の約80%にも達します。一番早く成長していきます。

 

リンパ系型(胸腫、リンパ節、同質性リンパ組織)
免疫力を向上させる扁桃、リンパ節等のリンパ組織の発達です。
生後~12,13歳頃までにかけて急激に成長し、大人のレベルを超えますが、思春期すぎから大人のレベルに戻ります。

 

・一般型(全身の計測値(頭径を除く)、呼吸器、消化器、腎、心大動脈、脾、筋全体、骨全体、血液量)
一般型は身長・体重や肝臓、腎臓等の胸腹部臓器の発育を示します。
特徴は幼時期までに急速に発達し、その後は次第に緩やかになり、二次性特徴が現れる思春期に再び急激に発達します。思春期以降 に再び発育スパートが見られ大人のレベルに達します。

 

生殖器系型(睾丸、卵巣、副睾丸、子宮、前立腺など)
生殖器系型は男児の陰茎・睾丸、女児の卵巣。子宮などの発育です。
小学校前半までは僅かに成長するだけで、14歳あたりから急激に発達します。生殖器系の発達で男性ホルモンや女性ホルモン等の 性ホルモンの分泌も多くなります。

 

 

これをテニスに関して考えると

14歳の時点で「フィジカル」「メンタル」「スキル」の完成度はプロを100%とした場合、フィジカル40%、メンタル20%、スキル80%という報告があります。

これを「スキャモンの成長曲線」と照らし合わせると

スキル:体の使い方→神経型 14歳の時点でほぼ完成されています。

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フィジカル:筋肉や内臓 →  一般型 成長期の途中。まだ完成されていない

メンタル:グラフにはありませんが、ジュニアの14歳前後の時期にはまだまだ完成しません。

 

よって、それぞれの年代で各型の発達速度が違うので、年代でやることを変えた方が良いのです。

低年齢(〜12歳)で神経型が急成長する時期(ゴールデンエイジ)は「正しい動き」「ボディーコントロール」の二つがないとスキルの向上が難しい。もちろん、コート上でボールを打つことも大事です。

12〜15歳は有酸素運動を中心に心肺機能の向上を。

15歳以上はストレングスを。個人によって差はありますが。

 

上記は年齢で覚えるのではなく発達の順序で覚えてください!

まとめると、

最初は神経系→ボディーコントロール

成長期は一般型→有酸素運動の心肺機能。少しきつい感じの運動です。

成長期過ぎ→ストレングス

 

しかし、上記はあくまでも理想です。本来は様々な運動を低年齢の時に経験させてあげたいし本人も集中できないと思いますが、統計的には一つのスポーツに絞って練習してきた選手が圧倒的に多いと言われています。

 

本日はここまでにしたいと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

 

 

トレーニングの必要性

こんにちは。理学療法士/トレーナーの平山 達也です。

本日はトレーニングの必要性について。

僕は現在、中学生のトレーニング指導に毎週(ほぼ)介入する機会を頂いています。

 

彼らからすると「なんで筋トレするの?しんどいのに」や「テニスを習いに来てるのに」など感じていると思います。もちろん、お金を払って「テニス」を習いに来ているんだけど、「テニス」の練習に一生懸命で体を作ることを大事にしていない子が多い。

というか、本人達はわからないから周りの人が教えてあげる必要があんだけど。

 

僕たちトレーナーは『パフォーマンスピラミッド』という考え方が根本にあります。

これです

 

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書籍によって多少の違いはあると思いますが、

ピラミッドの土台である部分「Movement:可動性や安定性」がしっかりあるからこそ、その上の「Performance」や「Skill」がうまく働きます。

トレーニングではこの基礎の土台部分を中心に作っています。ラケットを持ってボールを打つような「Skill:技術」は土台があってこそなのです。

要するにテニスをうまくなりたいのであれば、ひたすらボールを打つだけでなくて、体作りも必要だよ。ってことです。

【例】

テニスのストロークが安定しない。下半身の筋力や可動域の低下があり、踏み込む時や踏ん張る時に足がグラグラしてしまう。よって、打点が定まらず、ショットが安定しない。

極端ですが、このようなジュニアがいた場合、ボールを打つ練習を何回もするよりもまずは足がグラグラしないように下半身の力をつけようよ!ってなります。

下半身の筋力をつけることで、ショットが安定し、テニスの技術が上がってくるのです。

だけど、ボールを打つ練習ばかりだとこのパフォーマンスピラミッドが逆三角形になってしまいます。土台が小さく不安定になれば上部は不安定になります。

 

なので、ボールを打つ練習はもちろん大事なんだけど、体を作るトレーニングも同じくらい大事なんです。

あけましておめでとうございます!

こんばんは!

更新が遅れてしまい申し訳ございません。

 

今年度のblogは自身が学んだことやテニス関係の皆さに有益な情報を提供できるようにアップしたいと思います!アウトプットの場にしていきたいと思います。

何卒よろしくお願いいたします。

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*写真は昨年12月にフィンランドで観たオーロラの写真です

「メンタル」を考える。その3

こんばんは。理学療法士/トレーナーの平山 達也です。

メンタルを考える。その3です。

前回、集中力を高めるためにルーティンが必要であると書きました。

今回はそのルーティンについてです。

 

ルーティンには「動作ルーティン」と「言語ルーティン」があります。ルーティンは習慣や準備と解釈されています。イチロー選手や五郎丸選手の一連の動作は有名ですよね。

効果としては

①その動作を行うことでそれに続くプレーがスムーズに行うことができる

②正しい準備によってプレーが修正しやすくなる

などあります。テニスで考えるとサーブやリターンの時に活用しやすいですよね。

 

もう一つ大事なのが「言語ルーティン」です。

①自分を鼓舞する言葉(サイキングアップ)

 弱気になっていたり、マイナス思考に陥っている自分に元気を出させる言葉です

(例)俺はできる、俺は勝つ

②冷静になるための言葉(リラックス)

 テニスの調子や体調、焦りへの対処するための言葉

(例)大丈夫、落ち着け、足の裏を意識して

③客観視できる言葉(コーチ的目線)

 ゲームの流れや、戦略の確認、対戦相手の観察などを促す言葉

(例)相手の〇〇を攻めよう

 

これらのような言葉を言語ルーティンしておき、自分が上記のような状態に万が一陥った場合は「動作」「言語」ルーティンを用いて自分の集中力を高めていきましょう!

相手に流れを渡さないように!!

 

本日も最後までお読みくださりありがとうございました。

「メンタル」を考える。その2

こんばんは。理学療法士/トレーナーの平山 達也です。

 

メンタルを考える。その2です。

前回、試合の流れの話をしましたが流れはある程度自分で引き寄せることが出来るとお伝えしました。

 

もともと、人間には本質的な能力として

①集中力

②直感力

③想像力

などが備わっています。

これらは順番になっており、集中力が低ければ閃きが起こらずアイデアも出てきません。

なぜ、このような話をするかというと

試合の流れとは戦っている相手の集中力の波と大きく関係しているからです。

簡単にいうと「集中力の高い方に流れがいく」ということです。イージーミスを犯した時を思い出してみると、一瞬のプレーの中であれこれ考えて、1つのことに集中出来なかった結果です。更に悪いのはその結果を引きずってしまっている自分がいることです。そうならないためにも、集中力の持続が必要なのです。

 

では、「集中力」をどのように高いままキープ出来るのか。もともと、人間は長時間の集中は苦手な生き物です。なので、自分を集中の世界へ引き込むためのきっかけ作り。ルーティンか必要になってきます。

 

ルーティンといえば、イチロー選手や五郎丸選手を思い浮かべるのではないでしょうか??

イチロー選手や五郎丸選手がされているのは「パフォーマンスルーティン」といわれるものです。

 

次回は、ルーティンについてアップしたいと思います。

本日も読んで頂きありがとうございました!