理学療法士/トレーナー 平山 達也のブログ

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コーディネーション

こんにちは。理学療法士/トレーナーの平山 達也です。

 

本日は「コーディネーション」について。

僕ら理学療法の世界では、「協調性」という言葉に置き換えられて「特定の動きを行う時に複数の要素がうまく連動して働くこと」と解釈されています。多いのが神経と筋肉が協調して働くといった具合です。

 

しかし、トレーニングの中でのコーディネーションとは少し違います。1970年代に旧東ドイツのスポーツ運動学者が考案した理論で、コーディネーション能力を7つに分けています。その7つとは

・リズム能力

・バランス能力

・変換能力

・反応能力

・連結能力

・定位能力

・識別能力

で、スポーツ時にはこれらの能力が複雑に絡み合っています。

 

僕ら理学療法士は、動作を観察して分析し、問題点を見つける。というトップダウンでの評価を訓練しています(中にはボトムアップの人もいます)。

〇〇関節がどうこうで・・・。その原因が〇〇筋の筋力低下で・・・。

みたいな具合です。もちろん、動きを見て分析する能力は必須です。

 

僕も始めはスポーツ中の動作を観察し、分析するのって難しい・・・と思っていました。もちろん、今も難しいと思っています。

しかし、上記のコーディネーションの7つを意識して観察すると非常に観察、分析がしやすくなります。

単純にラリーの動きを見て

バランスはどうか?リズムよくステップ出来ているか?踏ん張っている時に足がぐらついていないか?ボールとの距離感は?

など。

 

7つのコーディネーションを少し具体的に。

あくまでも僕の解釈なので、みなさんと少し違う部分があるかもしれませんがご了承ください。

 

①リズム能力

リズム能力は動くタイミングなどをうまく合わせる能力です。音楽に合わせて踊るダンスなどがそうです。テニスでいうと、打球やポジション移動のタイミングを計ったり、ボールを打つまでの細かいステッピングを含めてリズムよく打つことです。

 

 

②バランス能力

体勢が崩れた際に姿勢をうまく保つ能力です。テニスでいうと、コートの外に追いやられてなんとかボールに追いついた時に姿勢が崩れず保ったまま返球できるか、ということです。

 

③変換能力

ある状況に応じて適切な動きで対応すること。臨機応変に対応する能力です。テニスでいうと、コートの外から戻るときの切り返しや、ネットプレーに出た時にロブを打たれてとっさに戻る時のことです。

 

④反応能力

ある合図に合わせて、瞬時に反応する能力。テニスでいうと、ボールや相手の位置などを把握して適切に反応すること。ドロップショットを打たれたときの反応の速さや、リターンの際の反応のことです。

 

⑤連結能力

身体を無駄なくスムーズに動かす能力。また、各関節の動き等の機能性(骨盤/腰椎の連動性や肩甲骨と上腕の連動性など)も含めると解釈しやすいです。テニスでいうとラケットを振ったり移動する際の動きのスムーズさ。各関節の連動性。バランスに近いところがあります。

 

⑥定位能力

物や人の位置関係または距離感を適切に掴む能力。テニスでいうと、スマッシュの際の落下点に入れるか、打点の位置、ストロークの際のボールと自分との距離感(実際に距離を合わせるのは細かいスッテプワークも必要になるので、リズム能力と一緒に評価します。)。ストロークが安定している、一定の打点で打てるという人は、リズム能力に加えてこの定位能力が長けているのかもしれません。

 

⑦識別能力

視覚情報と連結して物をうまく使う能力。テニスでいうと、相手の位置とボールを動きを判断して適切な位置にボールを返球することや、常にスイートスポットでボールを捉えるといったことになってきます。

 

以上7つがコーディネーションの考え方です。

みなさんも、自分やお子さん、サポートしている選手がどの能力が長けていて、どの能力が苦手なのか、をこういった視点で見てあげると日々のトレーニング内容もそれぞれにあった内容になっていくと思います。

もちろんプラスアルファで、年齢も考慮しなければいけません。成長曲線のどの時期なのか。これも非常に重要です。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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