理学療法士/トレーナー 平山 達也のブログ

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テニスのサーブで腰をそる!?

結論から先にいうと『反らない』方がいいと思います。

これは、あくまでも理学療法士としての意見ですので、コーチ等の教えや考えを否定するものではありません。

 

テニスをされている皆さんは、経験ないでしょうか?サービスの際に腰に痛みを感じたこと。もしかすると、腰を反ってしまっているのかもしれません。腰を反ってしまう原因は色々あるでしょう。もともと腰が反り気味な人、股関節や体幹(胸椎部)の動きが乏しい人、トスしたボールが体より後方になってしまっているなど多岐にわたります。

 

では、なぜ腰を反ってサーブを打つと腰が痛くなるのでしょうか?

 

身体の構造を理解する必要が出てきます。

背骨(脊柱)は首、胸、腰、骨盤の部分に分かれていますが、それぞれの場所によって背骨の形状は少しずつ違ってきます。

首の部分は前後左右、回旋など様々な方向への動きが出ます

胸の部分は肋骨(あばら骨)があり、回旋の動きが出やすくなっています

腰の部分は骨の形状から立位体前屈のような前後の動きは出やすいですが捻る動きは出にくくなっています

 

では、ここでもう一度サーブを思い出してみましょう。

ただ単に、腰をそらせるだけの動きなら問題はないでしょう。しかし、サーブは体を捻る動きが伴います。よって腰に反る+捻るといったストレスが加わってしまいます。本来捻るように出来ていない腰に捻るストレスが加わり続けることで「腰椎分離症」など発症してしまう恐れがあります。

 

僕が診させていただいたケースでは

「腰のしなりを使ってサーブを打て!」と教育され、腰を反らせる+捻る動きで腰にストレスが加わったままサーブの練習をやり続け、腰椎分離症を発症しています。

 

今回僕が率直に感じたことは

「テニスの指導者側にもっと医学的というか身体の構造を知ってもらう必要がある」ということ。と、「恐い」ということ。今回の担当のクライアントも「腰を反れ」「腰のしなりを使って」という腰を意識づけさせるワードで腰椎分離症を発症しています。もちろん、テニスだけではないと思います。元々の身体の使い方や硬さ、生活習慣など全ての因子が絡み合っているとは思いますが・・・

同じようなクライアントを増やさないためにも共通言語を持ってコーチとトレーナーが一緒に選手をみていくことが出来ればいいなと思います。

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